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【スポキャリインタビューvol.10 】中野和彦さん(大阪体育大学硬式野球部 監督)

2021/05/11

学生のこと、就活のこと――大学の指導者に聞いてみた

 

中野 和彦 監督 (大阪体育大学硬式野球部)

 

 

社会人として時間をしっかり守ることは基本中の基本。だが、大体大の中野和彦監督(62)は「体育会の学生でも時間をきっちり守れない子がまだいます」と打ち明けた。

阪神大学野球連盟リーグ戦で通算26回優勝し、巨人やメジャーリーグで活躍した上原浩治氏ら多くの人材をプロに送り出した中野監督は小手先の就活テクニックに頼るのではなく、スポーツマンとしての日々の心がけが、社会ではモノを言うと強調していた。

 

[聞き手]

岡 泰秀(株)スポキャリ取締役会長。

昭和50年(1975年)生まれ。京都成章高-大阪体育大。

99年4月(株)大阪近鉄バファローズに入社。監督付き広報、2軍チームマネジャーほか、球団社長室に所属し、肖像権委員会、広報業務などに携わる。近鉄球団の整理を担当しながら、オリックスバファローズや東北楽天イーグルスの設立に携わり退社。09年にスポーツマネジメント会社「スポーツカンパニー」設立。

上原浩治(元巨人)、建山義紀(元日本ハム)らの日本側の代理人を務め、清水直行(元ロッテ)らの事業コンサルを務めた。

04年よりプロスポーツ昭和50年会を立ち上げ、幹事長を務める。05年より大阪体育大学硬式野球部の助監督を務めた(~17年)。16年からは阪神大学野球連盟の常任理事。

―監督の思う社会人として時間をしっかり守ることは基本中の基本とは。

どの学生でも「私は時間を厳守します」と主張する。ルーズだと認める学生はいない。しかし、本当に常日頃から時間を大切にしているのか。行動は伴っているのか。もう一度チェックしてみる必要があるのではないだろうか。口先だけの「時間厳守」だと、採用担当者は必ず見抜いてくる。電話でのやりとり、会社訪問や面接などの機会の中で、時間に対してどんな感覚を持っているか、採用担当者はそこをしっかり見ているのだ。

「9時集合」と決められた練習に、何時に姿を見せるのか。「9時に来ればいい、と思っている学生がいるんです。ギリギリでセーフだと思っている。それでは社会では通用しない。最低でも10分前スタートが当たり前。極端な例では、渋滞していたので遅れました、と自分は悪くないと思っているのもいる。いくら力があっても、そういう態度では試合には使いません。社会では渋滞してそうだったら、早めに出る。渋滞は遅れる言い訳にはならない。学生気分をいかに抜け出すかが、社会に出るための準備になる」と中野監督は言い切った。

 

―大体大野球部では就活サポートについて、どう取り組んでいるのか。

「基本的には大学のキャリア支援センターが進路についてのサポートの中心です。1年の段階からキャリア教育が始まっているし、面談や進路相談、OBの紹介も、ここを中心に考えている。キャリア支援センターには野球部のOBもいるので、連携をしています。どんな進路が自分には適しているのかの相談も、キャリア支援センターが最初の窓口になっています」

 

―4年になると、野球を続けるかどうかの選択になると思うが。

「3年秋から動きはじめる学生もいますね。大体大の場合は教員志望も多いので、そのときは春からの教育実習に日程を合わせていくことになる。卒業してからも社会人などで野球を続ける希望のときは、4年になっても試合で実績を残すことが主眼になる」

 

―社会に出ることを意識した指導としては、どういったことを。

「心構えの部分がメーンになる。先ほども言ったような時間厳守、そしてあいさつや礼儀。これが社会に出たら、どれだけ大事なのかをいつも訴えていますね」

 

―監督も就活の最前線を経験したと聞いたが。

「就職部という名前だった時代に、30年くらい前にいましたね。とにかく企業に足を運ぶことを心がけた。電話だけでは、無理なお願いもできない。足を運んで、情報をもらっていく。その繰り返し。大学にはそれだけ昔からの蓄積があるから、学生にはしっかりと活用させたいと思っています」

 

―社会に出て、伸びる学生はどんなタイプだと見ているのか。

「時間や礼儀、あいさつがしっかり出来た上で、向上心を持って取り組める学生は、社会に出てからも頑張っている。練習で決められたメニューをやって終わり、というタイプじゃなく、足りないものをどう埋めるかと目標を設定していく学生は、社会でも評価が高いと思う」

―基本的なことをわきまえた上で、何を自分の武器にしたらいいのか。

「頭のいい学生、専門知識を持っている学生を求めているなら別だが、ウチの学生に企業などが求めるのは、仕事に対する熱意、指示されたことに対して、100%の力で倒れるまで取り組む体力だと正直なところ思っています。実際、そこを求めているところはたくさんある。ニーズがあるのだから、4年間スポーツに打ちこみながら、言葉遣いとか誠実さとか時間など、当たり前のことをおろそかにしない習慣を身につけてほしいと思います」

 

 

 ◆就活のためのキーワード

 1・時間厳守という社会の基本を守れていない学生はまだ多い

 2・仕事に対する情熱、指示されたことに100%の力で取り組む体力こそ企業がスポーツマンに求めるもの

 3・大学のキャリアセンターには蓄積された情報がある。積極的に活用しよう

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