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【スポキャリインタビュー vol.3】佐々木正雄さん (神奈川大学野球連盟理事長/前横浜商科大学野球部監督)

2020/12/28

スポキャリインタビュー vol.3

佐々木正雄さん

(神奈川大学野球連盟理事長/前横浜商科大学野球部監督)

 

 

人として、チームとしてバランス感覚をしっかりと持て!

[聞き手・編集]柳本元晴

 

35年の長きにわたって、アマチュア野球の監督として高校、大学で指導してきた佐々木正雄さん。

昨年、横浜商大の監督を教え子の井樋秀則氏に譲り、第一線からは離れたものの、過去に全日本大学野球連盟監督会会長を務めるなど、幅広い人脈と高い実績を誇る佐々木さんを求める声は引きも切らず、現在は全日本大学野球連盟理事や神奈川大学野球連盟の理事長などの要職を務めている。

 

佐々木正雄氏の球歴は反骨精神の賜(たまもの)だった。

66年には横浜一商のエースとして神奈川県内の強豪校を撃破、甲子園出場を果たした。日大に進んでからは在学中の3年時に山梨・日大明誠高の監督に就任し、強豪校に育て上げ、80年には卒業した横浜一商の流れをくむ横浜商大の監督に就任。

当時神奈川大学野球連盟の2部にいた同大学を1部に昇格させ、90年春には初優勝を手にした。

熱血指導で多くのプロ選手を輩出するなど、強豪校に押し上げた。共通しているのは、決して“強くはない”ところから、力をつけて登って行ったという実績である。

その間、全日本大学野球連盟監督会会長を務めるなど、アマチュア野球の底上げに力を注いだだけではなく、球界に幅ひろい人脈を築き上げた。

長年の指導者としての力を注いできた佐々木氏の言葉からは、野球界のみならず、社会においても通用する心構えが読み取れる。

★いかに役立つ人間になれるか、それは野球だけにとどまらない

 

長い指導者生活の中には、さまざまな学生がいたはずだ。一筋縄ではいかない選手もいたと佐々木さんは笑った。それでも、その指導者としての役割を振り返ったときに、佐々木さんは「まず、指導者がぶれないことが大事」と力を込めた。

「私自身、監督を続けるうえで、野球を通じて社会に役立つよう成長させることが大事だと考えてきた。

卒業後、野球を続けるにしても、続けないにしても、企業を支えるような人材になってほしいと、ずっと思ってきた」

今回の講演の中でも佐々木さんが最も強く訴えたのは、「バランス」だった。

人として調整、調和をとる側の人間になれということではない。

「生きるうえで人としてのバランスを見極められるかどうか。『足らない』ことを知り、補っていくことができるか、それができれば、人間としてのバランスが取れるようになる」

求められるのは、自分自身で気づくことだ。

 

★人の嫌がることを率先してできるようになろう

 

自分にとって何がいいのか、なにを求められているのか、どうすればいいのか。

それを知ることが大事だと佐々木さんは力説した。

「長年やってきたからね。

自慢ではないが、その選手の劣っているところは、手に取るようにわかっているつもり。そこに気づいていない選手には、素直な気持ちでそれを話してきた。ただ欠点を指摘しているんじゃない。

”このことがなくなったら、このことに気がついたら、また一歩、前に進めるんじゃないか“と。

そこに気づいて、すぐに動ける学生は、いろんな意味で成長できる。これは野球の技術だけの話ではない。

卒業して、野球を続けない学生にとっても、人として成長できる。活躍の場が見つかるということです」

野球がうまいとか、ヘタだからという話ではなく、人としての向上心につながる。

 

「そう。単純に、自分がよくなろう、という思いを持てるということ。それには、なにが足らないのか、自分で知り、俯瞰して自分を見る目を養え、ということ」

 

だから、「人の話を聞きなさい。自分で気づくことができないことを、指摘してくれることをありがたいと思いなさい」と佐々木さんは言った。

 

人はいきなり、大きくはなれない。周りにはサポートしてくれる人が必ずいる。

 

「だからです。まずは、人から信頼されるようになりなさい。例えば、人が嫌がること、やりたがらないことを率先してやってみよう。行動力、それを発揮するだけでいい。

そのうち、周囲から“〇〇君、人がやりたがらないことを平気でよくやっているね”と思ってくれる。そういう人は、”彼は嫌なことも平気で率先して頑張ってくれている”と評価も上がる。そういう人が、さらにその先の人へのつながりを導いてくれるものだ」

 

佐々木さんは、“鉄は熱いうちに打て“のことわざを持ち出して昨今の学生気質を語ってくれた。

「残念ながら、わかっていない親が多い。

子供のことがかわいいあまり、周囲を冷静に見極めできないのは、親のほうに多い。

そういう親に育てられて、少しばかしクセの強い子もいるけれど、子供のほうは言えばわかる。

今の世の中、どう思っているか知らないけれど、素直な子がほとんどで、言えばわかる。長く監督をやってきましたが、本質的なところでは子どもは変わっていないと思います。

だからこそ、部に入ってきた学生に対しては、しっかりとものの考え方を教えます。素直になりなさい。わからないときはわからないと答える。そして、理解できるよう努力をする。そうすると子供たちの理解は早いです」

長い年月の中には、失敗も裏切られたこともあったというが、それでも人を信じ、人が嫌がるようなことも率先して続けてきたら、多くの友人知人ができた。人が集まってきた。

2足のわらじではないが、スポーツ店などの開業、しかし、それを公の場で公表することはなかったのだが、佐々木さんは「気づかれないと思っていても、みんな知っていた」と笑う。

「目立たず、さり気なくやってきたつもりだったんだけれど、みんな知っていて、あえて言ってこなかったんだ」と周囲の気遣いに感謝した。

 

★就活する企業側にも「バランス」が存在している

 

信念である「人を裏切らない。ウソを言わない」を貫いてきた。「そうすれば、いつの間にか、周りが寄ってきてくれる。信頼が増すのだと思う」と佐々木さん。

19年度限り監督の座を退いたことで、20年1月に開催された「感謝の会」には球界内外から1200人もの人が集い、佐々木さんをねぎらったことを見てもわかるはずだ。

「上っ面ばかり気にして、本質を見極めようとしない指導者とは、話もしたくない。

教育とは“教えて育つ”と書くように、毎回毎回、壁にぶち当たって、そのたびに成長、育っていくものだと思う。それは、野球の指導者だろうが、勉強の指導者だろうが、変わらないはず。

そう思って、学生にぶつかってきたんだ。そこのところは、教える側に問題が少しずつ増えてきている気がして残念だなあ」と苦言を呈することを忘れなかった。

最後に「バランス」の話に戻ろう。

佐々木さんの言う「バランス」とは、人が個々の生き方にバランスをとれる人生を目指してほしいと考える一方で、学生たちは今後進む企業側の「バランス」についてもいう。

「頭のいい人ばかりで企業が成り立っているかといえば、そうではない。

例えば頭がよくて体力は伴っていないという人もいる。もちろん、その逆も。

企業だって、その所、バランスを考えて人を採用しているんだ。こういう言い方がいいかどうかは、わからないけれど、東大卒の社員ばかりで会社は成り立たない。

もちろん、頭がよくって体力があって、という人間がいれば文句なしだろうけれど、そんな人ばかりじゃないだろう。体育会の学生は、どちらかといえば、体力のほうが勝っているかもしれない。それを生かす道、職種だって当然ある。就活のことを話すなら、そういう企業側のバランスのことも考えていかないといけないだろうな」

講演が終わった後も、佐々木さんは講演の中で質問をした学生らを別室で丁寧に話をし、さらに質問にも答えていた。親身になって学生たちに向き合う姿がここでも見られた。

 

(写真説明)

佐々木理事長と(株)スポキャリ岡会長、体育会学生のキャリアプランについて意見交換。

◆就活のためのキーワード

1・自分の足りない部分を知ろう

2・素直になろう。わからないことはわからない。

3・臆することはない。どんな企業にも活きる場所はある

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