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【スポニチ×スポキャリインタビューvol.17】新潟アルビレックスBC 辻和宏さん (取締役総合営業部部長兼編成部部長)

2022/01/21

学生のこと、就活のこと――

BC独立リーグ 取締役 に聞いてみた。

 

新潟アルビレックスBC 辻和宏さん (取締役総合営業部部長兼編成部部長)

 

野球の独立リーグのひとつ、BCリーグに所属する新潟アルビレックス・ベースボールクラブ(BC)で取締役総合営業部部長兼編成部部長として、スポンサー営業とチーム作りを担当している辻和宏さん(38)も阪神大学野球連盟のOBだ。

辻さんは静岡県出身。磐田南高で野球部に所属し、体育教師から高校野球の指導者になることを目指して大体大に進学した。大学同期はヤクルトにドラフト4位指名され11年まで在籍した高木啓充投手、2学年下に巨人に1位指名された村田透投手(現日本ハム)がいた。予想以上にレベルは高く、2年の途中で主務転向を打診された。

卒業後は球団職員として巨人に入団。振興部でジャイアンツアカデミーの立ち上げに関わり、野球の普及、底辺拡大に6年間取り組んだ。野球に目を輝かせて取り組む子供たちの姿を見て、目指す方向はこれだと決めた。さらに球団運営全般にも関わりたいと目標を定め、新潟アルビレックスBCに転職した。巨人職員から独立リーグへ。待遇よりも、やり甲斐のある仕事を求めた上での決断だった。家族も理解をしてくれた。

巨人に比べて、組織は小さい。1人で何役もこなさないといけない。責任も重い。それだけに、結果を出したとき、ファンが喜んでくれているときの充実感は大きい。人生のテーマにした子どもたちへの野球の普及活動を通して、地域貢献にも加わっている手応えを感じる日々だ。昨年12月の「阪神大学野球連盟主催就職活動スタートアップセミナー」(共催・株式会社スポキャリ、株式会社アクセスネクステージ)でも学生を前に社会に出る心構えについて語っていた。

[聞き手]岡 泰秀(株)スポキャリ取締役会長。

昭和50年(1975年)生まれ。京都成章高-大阪体育大。

99年4月(株)大阪近鉄バファローズに入社。監督付き広報、2軍チームマネジャーほか、球団社長室に所属し、肖像権委員会、広報業務などに携わる。

近鉄球団の整理を担当しながら、オリックスバファローズや東北楽天イーグルスの設立に携わり退社。

09年にスポーツマネジメント会社「スポーツカンパニー」設立。

上原浩治(元巨人)、建山義紀(元日本ハム)らの日本側の代理人を務め、清水直行(元ロッテ)らの事業コンサルを務めた。

04年よりプロスポーツ昭和50年会を立ち上げ、幹事長を務める。

05年より大阪体育大学硬式野球部の助監督を務めた(~17年)。16年からは阪神大学野球連盟の常任理事。

 

 ―巨人に職員として入団した経緯は。

「体育教師になろうとして大体大に入ったけど、主務をしている間にNPBの球団職員としてやってみたいという夢が強くなった。いろんな人に話を聞いて、情報も集めました。職員を公募していたのは巨人だけ。それも若干名。ダメもとで応募したけど、書類選考で落ちた。野球に関わるということで新聞社も2社受けたけど、これもダメだった。どうしようか、というときに巨人からアカデミーの新規事業の募集があるとの連絡をいただいた。そこで選考に入れていただいて、新卒3人採用の1人に入ったんです」

 

 ―先輩の上原浩治さんとか監督の推薦を受けたのか。

「上原さんには受験の相談はしなかった。受かるわけないと思っていた。監督さんにもNPB職員になりたいと話はしたけど、難しいよ、という返事だった。でも最初の募集のエントリーシートに、これからのプロ野球は底辺拡大、普及活動が必要だと自分の考えをいっぱい書いた。それが目に留まったんだと思う。」

 

 ―目標に近づくために取り組んだことは。

「球団職員というのがどんな世界で、どんなスキルが求められるのか。一生懸命調べたり、経験された先輩とか新聞記者の方とかたくさん話を聞いて、自分の中でしっかりイメージした。主務の仕事は大変だったけど、その中で助けられたり助けてもらった人とのつながり、人脈が就活にも生きたと思う。自分の場合は浅く広くだったかもしれないけど、そうした人脈は財産にもなった。」

 

 ―野球部出身でスポーツ関係の仕事をしたいという学生は多い。でもみんなその通りにはいかない現実もあるが。

「確かに狭き門。でも最初の就活でうまくいくことが人生の目標ではないはず。就活は手段のひとつ。そこから社会に出てみて、目指す目標に向けて努力することが大事だと思う。キャリアを積んで、ステップアップしながら目標に向かえば、思わぬところで道は開けるかもしれない。言葉は悪いかもしれないけど、希望じゃない営業職でも、まずそこで頑張って、自分を鍛えたら、次に進みたい方向が見えてくると思う」

 ―採用する側として、学生のどこを見る。

「まず目ですね。仕事や会社に対する思いは目に出てくる。巨人との面接でも緊張でうまく話せなかったし、冬なのに汗だくだった。でも絶対に相手の視線を外すことがないように集中していた。面接する場合、質問としては学生時代にこれはやりきったと言えるものは何か、そこから何を得ましたか、ということは聞くと思う。野球を頑張ったという大まかなことじゃなく、具体的なことを。補欠でもチームに貢献するために取り組んだこととか、失敗をどう克服したとか、リーグ運営やOBとの関係構築に工夫したこととか。これだけは他の人と違うというものを持っていたら、強いと思います。」

 

 

 ◆就活のためのキーワード

 

1・学生にとって就職は当面の目標かもしれないけど、いかに生きるかという人生の目標の中では手段のひとつ。就活のためではなく、目標を見つけるために情報を集め、いろんな人の話を聞いてみよう。

 

 2・スポーツをしていない学生も社会に出るために、資格を取ったり、勉強をしている。それに負けないくらいのキャリア、経験を身につけているのか。スポーツを通して、部の活動の中で何に取り組み、何を得たかをしっかり話せるように、まとめてみよう。

 

 3・就活の中で迷うことは多いはず。迷ったら、行く。迷ったら、やる。その精神で取り組んでほしい。就活セミナーでも行けば、新しい発見、知識を得ることができる。前に進むことで、道はきっと見えてくる。

 

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